Photo by Sebastiaan ter Burgこんにちは。倉内です。
現在ITエンジニアの転職求人倍率は非常に高く、売り手市場が続いています。
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エンジニアの採用に苦労されている採用担当の方も多いと思いますが、この売り手市場で企業がいいエンジニアを採用するにはどうしたらよいでしょうか?
今回はpaizaがたくさんのエンジニア募集企業をサポートしてきて分かった「企業がいいエンジニアを採用するために必ずやるべきこと」についてお話します。
■企業が勘違いしている「いいエンジニア」の定義
採用担当者はよく「いいエンジニアを採りたい」と言いますが、「いいエンジニア」とはそもそもどんな人のことを想定してますか?
「あらゆる分野で100点をとれる何でもできるスーパーエンジニア」を指しているとしたら、採用活動はかなり難航すると思われます。そんなすごいエンジニアは存在自体が希少価値で、超引く手あまたの人材だからです。
実際そこまで何でも完璧にできる人が本当に必要でしょうか?募集するポジションや会社のフェーズによって必要なスキルセットや経験は異なるので、必ずしも何でもできる人が必要というわけではないはずです。
例えば、なるべく早くサービスを世に出したいなら動くものを早く作れるエンジニアであればいいですし、既存サービスを安定運用したいなら負荷分散や処理速度向上の検討ができるなどインフラ寄りのスキルを持ったエンジニアであればいいですよね。
ではここからは企業が本当に必要としている「いいエンジニア」を採用するにはどうすべきかを考えていきます。
■企業が求人票を書く前にやるべきことは3つ
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①自社にとっての「いいエンジニア」を明確にする
なぜエンジニアを採用するのか、採用したら何をやってもらいたいのかをはっきりさせるため、採用にあたっての必要条件・十分条件を洗い出してみてください。
また、どういった人が自社に合うのか、現在社内で活躍している優秀なエンジニアの傾向や特徴を分析して、求める人物像についても考えてみるといいでしょう。
(例)
必要条件:
・Webサービスのサーバサイド開発経験1年以上
・アジャイル開発手法を用いた複数名でのチーム開発経験
十分条件:
・Webサービスの企画・開発・リリースに携わったことがある
・Rubyでの開発経験(趣味・実務問わず)
求める人物像:
・新しい技術にどんどんチャレンジしたいと思える人
このときやりがちなのが「Rubyでの実務経験3年以上」のように言語+経験年数で条件を書く方法ですが、一概に経験年数だけでスキルが測れるわけではありません。
経験年数は長くても既存ソースのコピペを続けていた人と短期間でもサービスの企画・開発からリリースまでの経験を持つ人とでは、どちらのほうがエンジニアとしてよい働きをしてくれるか考えてみてください。
例で書いた「Webサービスのサーバサイド開発経験」のように具体的なスキルや業務経験をベースに考えたほうが、本当に求めている人材に近い条件を挙げることができます。
ただし、現職のエンジニアが条件を考える場合、出てくる条件のレベルが高い場合が多いので(一緒に働くならスキルが高い人のほうがいい!という気持ちは分かります)何が必要条件で何が十分条件にあたるのかよく考える必要があります。
「自社にとっていいエンジニアとは?」を念頭におくことで、求めているのは冒頭で挙げた一人で何でもできるスーパーエンジニアでなくてもいいと分かるはずです。
②自社の魅力を高める・アピールする
採用条件が明確になったので、今度はどうやったらエンジニアが自社に興味を持ち、応募したくなるかについて考えていきましょう。
考えるポイントとしては、自社が他社より優れている点はどこか、エンジニアの好奇心を刺激する仕事はあるか、エンジニアの働く環境を整えているか…などです。
分かりやすいところで言うと、最新技術の導入に積極的で業務を通してスキルアップできる、開発マシンは会社が決めたものではなくエンジニアが好きにカスタマイズしたものを会社負担で支給する…といったところは自社の魅力としてアピールできる点になります。
働く環境を整えているかについてはエンジニアを優遇しろと言いたいのではなく、PCのスペックやディスプレイのサイズ、椅子の座り心地などが業務の効率やアウトプットの質に直結するためです。
もしアピールできるところが全然浮かばない……となってしまったらいいエンジニアを採用する以前の問題です。
すでに述べたようにエンジニアは人材不足で各社取り合いの状態です。優秀なエンジニア側は自分で会社を選べる立場にあるといっても過言ではありません。働く環境(物理的にも制度的にも)を改善せずにいいエンジニアに来てもらえるなんて、非常に難しいと思ってください。
③エンジニアが求人票で本当に知りたい情報は何かを知る
転職を考えているエンジニアが求人票で確認したいと思っている情報が何か知っていますか?
paizaが過去に実施した求人票に関するアンケートでは、「求人票から知りたい開発現場に関する情報」として一番多く挙げられたのが「開発チームの構成」でした。
会社のミッションやビジョンを熱く伝えるのもいいですが、エンジニアに読まれる求人票であることを意識してください。
あまりにも開発に関する情報がないと「エンジニアのことをあまり分かってない会社なんだな…」と思われてしまいます。
逆に開発体制や開発環境、業務内容について具体的に書くことができていればエンジニアからの評価は高くなる可能性があります。
■求人票を出して応募が来たら
◆自社にとって「いいエンジニア」か見極める
考え抜いた求人票が功を奏し、エンジニアからの応募がありました。めでたしめでたし…ではなく、ここからが大事なところです。
今度は応募者がこちらの要件にマッチしているかを判断しないといけません。
面接する側が非エンジニアの場合、例えば、面接で自己アピールが上手い人や話し上手の人の評価を高くしがちです。しかし、それらは本来エンジニアの採用で優先されるべきポイントではありません。
エンジニアに必要なのは技術です。なぜエンジニアを採用するのか、採用したら何をやってほしいかを思い出してください。
極端な話ですが、人物面については技術面を見たあとに判断すればいいくらいです。
また、エンジニアの採用面接に自社のエンジニアが関わらないというのも採用がうまくいかない原因になります。面接については以下の記事も参考にしてみてください。
◆採用基準はあいまいにしない
エンジニアの採用に限らずですが、「採るかどうか迷ったら採らない」も時には大事であるとよく言われます。
先ほど必要条件・十分条件・人物像を書き出しました。これがしっかり書けていれば迷う状況になりにくいはずですが、採用が思うようにいっていないと「ちょっと引っかかる部分はあるけど…いいかな…」と判断が甘くなります。
しかし入社後にミスマッチが発覚すると、企業側だけでなく応募者にとっても不幸なことになりますのでお互いのためになりません。
■それでもなかなか成果が出ないときは
「エンジニアの目に止まる求人票をどう書いたらいいかわからない」「求人票を出しているけどマッチするエンジニアからの応募が全然来ない」という場合はpaizaもご相談に乗っております。
また、今後エンジニアの採用にpaizaを導入してみようかなと検討されている担当者の方がおられましたら、ぜひ一度こちらからご連絡ください。
■まとめ
「いいエンジニア」を採用するには、「自社にとってのいいエンジニア」を考えることであるとお伝えしてきました。
特に中途採用では新卒・第二新卒とは違ってほとんどの場合、ある程度「うちの会社に入ってもらったら、こういうことを任せたい」ものがあるはずです。
それを「とにかくスーパーエンジニアに来てほしい!」と考えているだけだと、エンジニアが応募してみたいと思える求人票も書けず、うまくいかないのは当然ですよね。
「優秀なエンジニアを採用するのは難しいか?」という問いに対して、全くそうではないとは言えません。しかし、準備をしっかりして明確な基準を持ち採用活動をすることが何よりも近道になるはずです。
paizaでは引き続き、エンジニアの皆様の転職活動・企業の皆様の採用活動がよりよいものになるようご支援いたします。
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