Photo by Luca Sartoniこんにちは。谷口です。
エンジニアたるもの、業務外の時間も勉強していて当たり前…と考えている人もいるかと思います。
もちろんエンジニアにとって技術の勉強は必要です。ただ、IT人材の不足が長らく解決していない今、企業側が個人の取り組みに甘えきっているだけでは、必要な人材の育成がいつまでたっても進みませんし、エンジニア側も疲弊してしまいます。
そもそも、右も左もわからない新人が「業務外でも勉強していて当たり前(≒会社としてそのサポートはしません)」という姿勢の企業を喜んで選ぶでしょうか。新人としては、業務を通して学びが広がったり、メンターの先輩がいたりと、学習機会が多い企業を選びたいでしょう。
というわけで今回は、企業がエンジニア個人の取り組みに甘えすぎるのはよくないのではないか、というお話をします。
サポートのない企業を避ける新人たち
特に最近の採用活動では、直接話したりオフィスを見てもらったりして、志望度や入社意欲を上げてもらうのが難しくなってきます。
若手や初めての転職を考えている応募者の場合、いま一番不安なのは「入社したらどのように仕事を進めることになるのか、リモートワークの制度はどうなっているのか、入社後のフォロー体制はどうなっているのか(リモートでも適切なフォロー体制が整っているのか)」などといったことです。
「まだあまり決まっていなくて、入社してもらってから考えます」「やはり最初は出社が必須です」となってしまうと、あまりよい印象にはなりませんし、「それならもっとリモートでの受け入れ体制が整っている企業にしよう」と思われてしまいかねません。
また、入社してもらったとしても、企業側がサポートを怠っていると、新しいメンバーを早期に戦力化するどころかモチベーションを下げたり、早々に他社へ転職されたりする可能性が高まります。
「俺が新人のころはこれぐらい自分で勉強していた……」と思うこともあるでしょう。
ただ、会社に対する印象の良し悪しは入社1カ月で決まると言われています。すごいスキルを持っている人でも、右も左もわからない新しい組織やチームで疎外感を感じながら高いパフォーマンスを出せる人はほとんどいません。
新しいメンバーが早期に組織・チームになじみ、成果を出し続けるためにはフォローが必要です。特に新人の場合、研修を実施したりメンターをつけたりする必要もあるでしょう。(というか、最近はそのようなサポート体制を整えている企業が多数あるので、フォローせず放置しているとそちらに転職されてしまいます)
学びのない職場から転職していくエンジニアたち
また、中途エンジニアの方からお聞きする転職理由で多いのが、今の職場では「学びがない」とか「周りのレベルが低い」ということです。
エンジニアは技術が好きで探求心のある方、勉強熱心な方が多いため、仕事を選ぶ際も学びが得られること、興味のある技術が使えることなどを重視している方が少なくありません。
特に優秀な方ほどその傾向が強いわけですが、エンジニアは優秀であればあるほど、チーム内のトップに近づけば近づくほど、周りの人や業務から得られる新たな学びは少なくなっていきます。既存の知識で解決できる業務につまらなさを感じ、もっとレベルの高いところ、自分がトップではないチームに行きたいと思うようになるわけです。
エンジニアが定着する組織を作るためには
成長機会の見直し
前述の通り、優秀なエンジニアほど探究心や知識欲が強く、常に学びが得られそうな場所を求めており、これ以上は学びがないと感じる組織からは飛び出していってしまいます。
エンジニアたるもの業務時間外での勉強を通して成長すべしと考えている方もいるかと思いますが、エンジニアが企業選びで求めているのは
- 業務を通して成長できること
- 業務時間外での学びもサポートしてくれること
です。
本当にこれ以上学びがないくらい優秀な人の場合はもう仕方ないかもしれませんが、社内勉強会を実施したり、外部の勉強会への参加補助・書籍の購入補助などを導入するだけでも、エンジニアの学びの機会増加につながります。
そういった制度がない企業の場合は、まずここから見直してみてはいかがでしょうか。
キャリアパスの提示
みなさんは新人のころから、自分のキャリアについて考えていたでしょうか?(私は考えていませんでした)考えていたとしても、その通りのキャリアを進んでこれたでしょうか?
もちろん若いときからキャリアについてしっかり考えてきた人もいるかと思います。しかし、特に最近は明日どうなるかもわからない社会情勢なので、今は新人のころから「キャリアパスを描いてその通りに進む」のを目指している人はそうそう珍しくありません。
エンジニア個人が自分のキャリアについて考えるのは重要です。ただ、それと同時にエンジニアをマネジメントするポジションの人たちも、エンジニアを放置するのではなく、キャリアについて一緒に考えたり、「この組織ではこんなポジションになってほしい」ということを伝えたり、ロールモデルを提示したりしていくのも必要かと思います。
オンボーディングの実施
企業にとって、新しく迎え入れたエンジニアに早く力を発揮してもらうためには、オンボーディングの実施が重要です。
オンボーディングについて、詳しくはこちら
paiza.hatenablog.com
上の記事では、他社のオンボーディング事例などもご紹介していますが、例えばGoogleでは、以下の5つのチェックリストが新メンバーの上司に配属の1日前に送られるそうです。
- 仕事の役割と責任について話し合う
- メンター役となる先輩社員をつける
- 新入社員が社内でのネットワーク構築するのを支援する
- 最初の6ヶ月間は毎月面談(Check-In)を実施する
- 気軽に話せる環境をつくる
これは別にGoogleのような大企業ではなくても全企業が実施できる(というかすべき)ことです。シンプルですが重要な取り組みですね。
まとめ
というわけで、企業がエンジニア個人の取り組みに甘えすぎるのはよくないのではないか、というお話でした。
やはり一番は、エンジニアが業務を通して学びを得られる、スキルアップできるような仕組みや環境を作っていくことかと思います。
「そんなの難しい」「エンジニア個人の学びになるかどうかなんて知らない」と思う企業の方もいるかもしれません。
ただ、今や多くの企業が採用時のアピールポイントとして「自分たちの業務を通してどんな学びがあるか」を熱く語っています。そして研修内容や学習支援制度などについてもアピールするようになっています。若いエンジニアたちが就職・転職するとなったら、そういった企業のほうを選ぶでしょう。
採用活動業務の一貫としても、エンジニアの学びを支える体制については一度考えてみる必要があるかと思います。
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