Photo by enjamin Linh VUこんにちは。谷口です。
「これから何がやりたいのか、どんなエンジニアになりたいのか」
こうした質問を転職活動中に面接で聞かれたり、勤務先の目標設定で聞かれたりして、困った経験のある方は多いのではないでしょうか。
今回は、「正直どんなと言われても、特に考えてはいない、エンジニアの仕事を続けようとは思っているけど、すごくやりたいことやなりたい姿があるわけでもない…」という人が、上記のような質問についてどう考えたらよいかをお話しします。
彼らがなぜ「どうなりたいか」を聞いてくるのか
お友達との雑談であれば「特に何も考えてないんだよね」と返答してもよいかもしれませんが、面接官が相手だとそんなわけにもいきませんよね。
まず、面接などの場面でなぜ「これから何がやりたいのか、どんなエンジニアになりたいのか」を聞かれるのか。
面接官は、応募者に対して
- エンジニアの仕事のどんなところに楽しみや意義、モチベーションなどを感じているのか
- 本人の進みたい方向性が自社の事業内容・業務内容キャリアパスと合っているのか
- 自分の目標について言語化できているか
といったことを気にしています。
面接対策としては、上記のような観点を踏まえて受け答えを組み立てていくことが求められます。
たとえば、「技術を通して人の役に立ちたいから、BtoCのサービスをもっとユーザーの役に立つように改善したい。そのために○○のスキルをもっと身に付けたい」「新しいことに挑戦するのが楽しいから、これからこんな技術を使ってこの分野の開発に挑戦したいと考えている」というだけでも、「これから何がやりたいのか、どんなエンジニアになりたいのか」の話になります。
でかい夢を言えばいいというものではない
「世界を変えたい」「○○の分野で一位になりたい」といった目標を語る人もいます。
もちろんそう思っていること自体はよいのですが、それだけで終わってしまったら、何も考えていないのと同じです。
大きすぎる目標を言うと、
- まずは直近で何をすべきか、何に取り組んでいるのか
- 短期的な目標、中長期的な目標に落とし込めているか
- その大きな目標が自社のどんな部分とリンクしているのか
といったことを深掘りされるでしょう。
上記のような話を現実的に具体的に落とし込めていないと、繰り返しになりますが何も考えていないのと同じです。
特に、最近はリモートワークでの業務が増えていることもあって、エンジニアには今まで以上に
- 現状の課題感や目標を把握し、具体的に言語化できること
- 達成や解決のために自走できること
が必要とされています。根拠を持って自分の目標がしっかり語れる人は面接でも信頼を得やすいでしょう。
まずは目の前のことを一生懸命やる…キャリアドリフトという考え方
とはいえ、みんながみんな「これをやりたい」ということを明確に持っているわけではありません。また、それは必ずしも悪いことではありません。業務やさまざまな経験を通して見えてくることのほうが多く、それが見つかるまでには時間も必要だからです。
paizaを運営しているとベテランエンジニアの方とキャリアに関するお話をする機会も多いのですが、「最初からここを目指していたわけではなく、気付いたら流れついていた」と言われる方は少なくありません。
神戸大学大学院の金井壽宏教授は「キャリアにおいて大きな方向づけは必要だが、偶然の出会いや予期せぬ出来事をチャンスとして柔軟に受け止めるために、あえて状況に“流されるまま”でいることも必要である」とする「キャリアドリフト」という考え方を提唱しています。
実際、仕事をしていると、最初は嫌だと思っていた業務が実はやってみたら楽しかったとか、自分では当たり前にできることが他人から見たらすごいスキルだったとか、何となくやった仕事ですごく感謝されて意外にやりがいを感じたとか、思わぬ可能性が広がる場合もありますよね。
もちろんやりたいことや目標があるのは素晴らしいですが、それが明確にないからと言ってだめなわけではありません。
先日、転職してしばらく経つエンジニアの方にインタビューをしていて「前職で目の前のことを一生懸命やり遂げてきた経験が今でも役に立っている。もし『やりたいことはこれじゃない』とか思って適当にやっていたら、どこにも採用してもらえないレベルの人間になっていたと思う」と言われたことがあります。
やりたいことが決まっていなくてもいいので、まずは自分の資質を最大限に発揮して、与えられた仕事をやり遂げていくのが、一番今後のためになり、自分の価値を上げてくれるのだと思います。
「これから何がやりたいのか、どんなエンジニアになりたいのか」を聞かれて困ったときも、まずは目の前の業務に落とし込んでみて、「この仕事や課題をやり遂げるにはどうしたらいいか」「そのためにはどんなスキルが必要か、どんな結果が出たらハッピーか」というところから考えてみると、悩まずに済むかもしれません。
まとめ
面接を受けると「どうなりたいか」を聞かれたり、企業に勤めていると「これからの目標」を聞かれることも多いでしょう。
目標ややりたいことが見つからない人は、まずは目の前の仕事に落とし込んで考えてみるのがよいのではないでしょうか。そして目標に縛られ続けるよりも、まずは目の前の仕事に精を出すのが重要なのだと思います。
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