Photo by Alexandra E Rustこんにちは。倉内です。
IT業界の転職市場は依然として売り手市場が続き、将来的にはIT人材が何十万人も不足するという予測がされています。
実際に未経験からITエンジニアに転職したという方もよく見かけるようになり、「自分もプログラミングを勉強してみようか…」「IT業界に飛び込んでみようか…」と考えている人も多いのではないでしょうか。
今はpaizaラーニングのようにブラウザとインターネット環境さえあれば、プログラミング学習を始めることができるため、誰にでもチャンスがあると言えます。
とはいえ未経験から目指すとなると不安もあると思いますし、なんとなく業界的にブラックなイメージもあって迷いますよね。
そこで今回は、IT業界や転職市場の動向を見ながら「本当に今こそ未経験からITエンジニアを目指すときなのか?」について考えていきたいと思います。
今がITエンジニアを目指すチャンスといえる5つの理由
①求人倍率が高い
求人倍率とは、求職者1人あたりに何件の求人があるかを示す経済指標です。 つまり1.00倍より大きな値であれば、1人1つ以上の求人があるということになります。
IT業界(ITエンジニア)の求人倍率はここしばらく高い値を維持してます。たとえば、dodaが毎月発表している「転職求人倍率レポート」の2019年4月の結果を見てみると…
全体:2.19倍
業種別「IT・通信」:6.30倍
職種別「技術系(IT・通信)」:8.50倍
求職者(この場合は転職希望者)1人に対して6求人もしくは8求人以上あるという状態ですね。もちろん、あくまでdodaのサービスのデータをもとに算出している値ではありますが、これは他業種・他職種に群を抜いて高い値です。
すべての企業がそうというわけではないですが、求職者にとっては選択肢が多い(求人を選べる)状況で、企業側にとっては応募者を集めるのに苦労している状況と言えます。
参考までに、厚生労働省が発表している有効求人倍率(2019年2月時点)も見ておきましょう。これは公共職業安定所(ハローワーク)における職種別の有効求人倍率の数値(パートタイム労働者除く)です。
職業合計:1.49倍
開発技術者:2.66倍
情報処理・通信技術者:2.65倍
こちらも高い値となっていますね。ちなみに私がSIerのSEとしてIT業界に入った2011年(リーマン・ショック後)の「情報処理技術者」の有効求人倍率は0.97倍でした。
当時の職業合計が0.53倍だったことも含めると、現在がどれほど高い値なのか分かっていただけると思います。
②プログラミング学習環境が充実している
冒頭でも少しご紹介しましたが、自分のPCに環境構築すら不要ですぐにプログラミング学習をスタートできるサービスがたくさんあります。
paizaラーニングでは、Python、Ruby、PHPなど主要言語の入門講座を公開しています。動画で学びながら練習問題も解けるので、まずはそこから始めてみてください。
ひと昔前はそもそも開発環境の構築が初心者にとっては大変で、「まずやってみる」のハードルは高かったのですが、今は悩むくらいなら実際にプログラミングをやってみて、自分がどう感じるかを判断すればいいと思います。
というのも私は前職で7年以上SEとして働いていましたが、当時は業務でコードを書く機会がほとんどなかったことや、いつも納期に追われて必死だった記憶が強くて「開発って楽しい」という気持ちになったことがほとんどなかったんですよね…。
それがpaizaのスキルチェックでランクを取ってみたり、先日書いたC#の記事のためにUnityを勉強したりして、今更ながら「あれ…プログラミングって結構楽しいかも?」と感じることがありました。
みなさんもやってみて楽しいと感じたらあとは突き進むのみです。ただ、「独学ではなかなか厳しい…」と感じることもあるかもしれないので、その場合はプログラミングスクールという選択肢もあります。
プログラミングスクール比較 (全28選) - paiza開発日誌(2018年10月時点の情報)
③比較的未経験者を受け入れてくれる業界である
少し古い情報になりますが2017年11月のマイナビの調査によると、掲載されている転職求人のうち「職種未経験者」を歓迎している割合はWEB・インターネット・ゲームで57.1%、ITエンジニアは48.6%となっています。
また、パーソルテクノロジースタッフの調査では、現在IT・機械・電気系のエンジニアとして働いている人のうち、36%が他職種から転職してきた人という結果も出ています。
この調査では、エンジニアに転職してよかった理由として「やりがい・達成感を感じられた」を挙げている人が一番多かったようです。
paizaが提供している未経験者向けITエンジニア求人サイトのEN:TRYでは「未経験OK!本気でITエンジニアになりたい方」「プログラミング未経験の方は入社後研修からスタート」といった求人もたくさん掲載しています。
開発の実務経験が少ない人でも応募できる若手チャレンジ求人を中心に掲載しており、プログラミングスキルチェック問題を解いて、スコアが一定基準を超えれば、書類選考なしで複数の会社へ応募ができます。
④近い将来IT人材不足は深刻化する
厚生労働白書によると、2017年に6,556万人だった日本の労働人口は2030年には6,180万人に減少すると予測されています。
IT人材に限っても2019年をピークに減少に転じ、数値には諸説ありますが2030年には約59万人(政府の中位シナリオより)不足すると言われており、企業はIT人材の確保が今後ますます難しくなると思われます。
現在すでに先端IT人材(AIやIoTに精通する技術者)は争奪戦となっており、よりよい環境や条件の会社を選んで転職することができる状況です。
未経験者が今すぐそのレベルにというのは難しいですが、将来的なキャリアプランを立てるときにどんな人材の需要が高いかというのは考えておいて損はありません。
また、この先私達の社会生活にIT技術が不要になるとは考えにくいので、トレンドは変化しつつもIT業界そのものは今後も拡大が見込める業界と言ってよいでしょう。
(参考)
- 厚生労働省:厚生労働白書 資料編 ①厚生労働全般
- 経済産業省:IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果
- 人材需要の高まりでIT職年収が上昇傾向に。職種別年収ランキング30にみるIT系職種トレンド | AMP[アンプ] - ビジネスインスピレーションメディア
⑤IT業界の働く環境は改善されつつある
さきほど私がIT業界に入ったのは2011年と書きましたが、そのころに比べると労働時間や年休取得についての考え方・制度は大きく変わりました。
そもそも残業時間上限についての法律が2019年4月に強化され、違反した場合の罰則も厳しくなったので、普通の会社は改善に取り組むしかありません。政府も積極的にIT業界の労働環境を改善しようとする施策をおこなっています。
実際に前職のSIerでも近年は、「原則22時以降は残業禁止(深夜作業除く)」「代休取得の厳守」など働き方改善のためのルールが設けられていました。業務内容は変わらないので、一気に「残業が0になりました!」というわけにはいきませんでしたが、徐々にいい方向へ変わっていっている感覚はありました。
また、IT業界はリモートワーク普及率が全業種でトップ(日本企業での普及率は2018年時点で13.8%、情報通信業に限ってみると31.1%)という調査結果もあり、今やむしろ「働きやすい業界」へと変貌を遂げつつあるのでは…?という気さえします。
EN:TRYでは、たとえば「裁量労働」「残業30H以内」「一部在宅勤務可」などの条件で求人を絞り込むことができます。こういったサービスもうまく活用してみてください。
実際にリモートワークや時短勤務を利用して、仕事もプライベートも充実させている現役エンジニアの方へのインタビュー記事も掲載しています。
(参考)
- 厚生労働省:時間外労働の上限規制 わかりやすい解説
- 厚生労働省:IT業界の働き方・休み方の推進
- 総務省:平成29年 通信利用動向調査報告書
転職活動に向けて準備する
企業選び
「ITエンジニアになれるならどんな企業でもいい!」という意気込みは悪くないのですが、「思っていたのと違う…」「すぐ辞めたい」となってしまうとつらいですよね。
そこで企業選びについては以下の記事を参考にしてみてください。
選考対策
未経験からITエンジニアを目指す場合、実務経験や実績でのアピールができません。そのためこれまで取り組んできたことを示すために、ポートフォリオを用意することをおすすめします。
現役エンジニアに聞いてみても「最初は簡単なWebサイトでもアプリでもいいから、とにかく自分で何かを作り上げた経験がある人がほしい」と言う人が多いです。
「ITエンジニアの就活準備編」では、ポートフォリオの作り方がわかる「ポートフォリオ制作」のレッスンを全編無料で公開していますのでぜひご覧ください。
また、面接対策については以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ
IT業界や転職市場の状況、プログラミング学習環境の充実といった点からITエンジニアを目指すことをおすすめする理由をお伝えしてきました。
ITエンジニアは専門職なので大変さや難しさはもちろんありますが、非常にやりがいのある仕事だと感じます。
自分が関わったシステムが世に出たことを誇りに思いますし、ユーザーが喜んでくれたり、便利になったと言ってくれたり…そういったことがあるので、大変でもなかなかこの業界からは離れがたいものがあります。
まずは興味を持ったならプログラミングにチャレンジしてみてください。「難しいけど楽しい!」「意外と自分に向いているかも?」と感じる可能性は十分あります。
「paizaラーニング」では、未経験者でもブラウザさえあれば、今すぐプログラミングの基礎が動画で学べるレッスンを多数公開しております。
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そしてpaizaでは、Webサービス開発企業などで求められるコーディング力や、テストケースを想定する力などが問われるプログラミングスキルチェック問題も提供しています。
スキルチェックに挑戦した人は、その結果によってS・A・B・C・D・Eの6段階のランクを取得できます。必要なスキルランクを取得すれば、書類選考なしで企業の求人に応募することも可能です。「自分のプログラミングスキルを客観的に知りたい」「スキルを使って転職したい」という方は、ぜひチャレンジしてみてください。
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